APAスタイルの本文内引用は、論文内の引用、言い換え、統計、あるいは着想の根拠となっている情報源を読者が特定するのに役立ちます。

APAスタイルでは、すべての文章に情報源の詳細を記載するのではなく、著者名と発行年を用いた簡潔な引用を行い、それを参考文献ページの詳細情報へと紐付けます。このガイドでは、APAの本文内引用の仕組みや、括弧内引用とナラティブ引用の使い分け、さらに複数著者の場合や情報源の詳細が欠落している場合など、一般的な状況への対処法について解説します。

APA文内引用の簡潔な回答

APA文内引用には、通常、著者の姓と出版年を含めます。これは論文の本文中に記載され、読者を参考文献リストの完全な出典情報へと導くものです。

基本的なAPA括弧内引用:

(著者名, 発行年)

例:

学生は最終原稿の前にフィードバックを受けることで、より効果的に修正を行う傾向がある(Miller, 2023)。

基本的なAPAナラティブ引用:

著者名 (発行年)

例:

Miller (2023) は、学生が最終原稿の前にフィードバックを受けると、より効果的に修正を行えることを明らかにした。

直接引用を行う場合は、ページ番号も記載してください:

(Miller, 2023, p. 42)

文内引用の表記は、参考文献リストの先頭に記載されている著者名および発行年と一致させる必要があります。

APA形式のインテキストサイテーション(本文中引用)とは?

APA形式のインテキストサイテーションとは、情報源からの情報を使用する際に、論文内の該当箇所に挿入する短い引用表記のことです。読者が参考文献(References)ページで詳細な情報を確認できるよう、必要最小限の情報を記載します。

APAスタイルは、心理学、教育学、看護学、ビジネス、コミュニケーション、公衆衛生、社会科学といった分野で広く用いられています。これらの分野では研究の鮮度が重視されることが多いため、APA形式の引用には出版年が含まれています。

公式な例については、APAスタイル公式のインテキストサイテーションに関するガイダンスを参照してください。

APA形式のインテキストサイテーションは、以下のような場合に使用します。

  • 原文をそのまま引用する場合

  • 情報源のアイデアを言い換える場合

  • 研究結果を要約する場合

  • 統計やデータを使用する場合

  • 特定の研究、理論、報告書に言及する場合

  • 一般常識とは言えない主張を取り上げる場合

自身の考えや一般的な知識については引用の必要はありませんが、他の情報源から得た特定の情報には必ず引用を明記してください。

括弧内引用とナラティブ引用(APAスタイル)

APAスタイルでは、主に「括弧内引用」と「ナラティブ引用」という2種類の本文中引用形式を用います。

引用の種類

特徴

括弧内引用

著者名と発行年を括弧内に記載します。

フィードバックは修正を助ける (Miller, 2023)。

ナラティブ引用

著者名を文中に含め、発行年をその直後の括弧内に記載します。

Miller (2023) は、フィードバックが修正を助けると述べています。

アイデアそのものに焦点を当てたい場合は括弧内引用を、著者や研究内容を強調したい場合はナラティブ引用を使用してください。

どちらの形式も適切であり、文の構成に合わせて最適なものを選ぶことが重要です。

著者1名のAPA論文内引用

著者1名の場合、著者の姓と発行年を記載します。

括弧内引用の例:

明確な課題の指示は、学生がより質の高い研究論文を書く助けとなる(Johnson, 2022)。

叙述的引用の例:

Johnson (2022) は、明確な課題の指示が学生のより質の高い研究論文執筆を助けると説明している。

著者の名、イニシャル、記事のタイトル、出版社、URLは論文内引用には含めません。これらの詳細は参考文献リストに記載されます。

APA形式の2名の著者によるテキスト内引用

2名の著者がいる場合は、引用するたびに両方の姓を記載してください。

括弧内引用の例:

ピアフィードバックは、学生が初期の草稿において不明確な主張を特定する助けとなる(Parker & Lee, 2021)。

ナラティブ引用の例:

ParkerとLee(2021)は、ピアフィードバックが学生の初期の草稿における不明確な主張の特定を助けることを明らかにした。

括弧内ではアンパサンド&を使用します。文中で言及する場合はandを使用してください。

3名以上の著者がいる場合のAPA形式の本文内引用

3名以上の著者がいる出典については、最初の著者の姓の後に et al. を使用します。

括弧内引用の例:

オンライン学習の習慣は、学生の研究課題の管理方法に影響を与える可能性がある (Nguyen et al., 2023)。

本文形式での引用例:

Nguyen et al. (2023) は、オンライン学習の習慣が学生の研究課題の管理方法に影響を与える可能性があることを明らかにした。

et al. というフレーズは「その他」を意味します。al. は省略形であるため、必ず後にピリオドを付けてください。

APA形式の本文中引用(ページ番号付き)

情報源から正確な言葉を引用する際には、ページ番号の記載が必須となります。また、長い資料の特定の箇所を参照する際にも有効です。

直接引用の例:

“フィードバックは、学生が最終稿作成前にそれを活用できる場合に最も効果的である”(Miller, 2023, p. 42)。

ページ範囲を示す場合は、pp.を使用してください。

(Miller, 2023, pp. 42–43)

ウェブページなど、情報源にページ番号が振られていない場合は、利用可能な別のロケーター(場所を示す情報)を使用します。

段落指定の例:

(University Writing Center, 2024, para. 5)

セクション指定の例:

(University Writing Center, 2024, “Revision Strategies” section)

言い換え(パラフレーズ)の場合、APA形式では必ずしもページ番号は求められませんが、特定の箇所について議論する際には、指導教員からページ番号の明記を求められることがあります。

APA形式による本文中引用の完全な例

APA形式の本文中引用が、どのように参考文献リストと結びついているかを示す完全な例を以下に挙げます。

出典情報:

  • 著者:レベッカ・T・ミラー

  • 発行年:2023年

  • 書籍名:Writing With Evidence in College

  • 出版社:Beacon Academic Press

  • 引用ページ:42

言い換え(パラフレーズ)を用いた文章:

優れた学術的文章は、明確な出典の活用、体系立てられた証拠、そして入念な推敲によって成り立つ(Miller, 2023)。

直接引用を用いた文章:

Miller (2023) は、「証拠というものは、読者がその重要性を理解できたときに最も効果を発揮する」と説明している(p. 42)。

参考文献リストへの記載:

Miller, R. T. (2023). Writing with evidence in college. Beacon Academic Press.

この例が正しいのは、本文中の引用に著者の姓と発行年が含まれているためです。また、直接引用の箇所にはページ番号も記載されています。参考文献リストの記載も同じ著者名と年で始まっているため、読者は本文中の引用から完全な出典情報を容易に照合できるようになっています。

本文中の引用には書籍名が含まれていないことに注目してください。APA形式では、短い引用形式で示し、詳細はタイトルや出版社が記載された完全な参考文献リストへと読者を誘導します。

著者がいない場合のAPA形式の本文内引用

情報源に著者が記載されていない場合は、本文内の引用箇所でそのタイトル、または短縮したタイトルを使用してください。

参考文献エントリー:

How to prepare for a college research paper. (2024年3月14日). Student Academic Skills Center. https://www.example.edu/prepare-research-paper

本文内引用:

(How to Prepare, 2024)

タイトルが長い場合は、意味の通じる最初の数語に短縮します。参考文献リストではセンテンスケース(文頭のみ大文字)であっても、本文内の引用ではタイトルケース(主要語を大文字にする)を用いてください。

実際に情報源に著者名として「Anonymous」と記載されている場合を除き、勝手に「Anonymous(匿名)」と書かないようにしてください。

APA形式の本文内引用(日付なし)

情報源に日付がない場合は、n.d.(no date:日付なし)を使用します。

例:

大学のライティングセンターでは、盗用(剽窃)は引用の問題であると同時に、学問的誠実さの問題でもあると説明されることが多い(University Writing Center, n.d.)。

著者と日付の両方が不明な場合は、タイトルと n.d. を使用します。

(学術研究ガイド, n.d.)

発行日を推測してはなりません。その情報源に明記されている日付のみを使用してください。

ウェブサイトのAPA本文内引用

ウェブサイトを引用する場合、著者名または組織名と発行年を記載します。

組織が著者の場合の例:

学生はオンラインソースを引用する前に、その著者、根拠、目的を評価しなければならない(大学ライティングセンター、2024)。

参考文献:

大学ライティングセンター。(2024年3月12日)。学生がオンラインソースを評価する方法。https://www.example.edu/evaluate-online-sources

ウェブページに個人の著者がおらず、組織がそのページを作成したことが明らかな場合は、その組織名を著者として使用してください。著者や組織名が記載されていない場合は、タイトルを使用します。

APA形式での複数のソースの文中引用

複数のソースが同じ主張を裏付けている場合は、それらをアルファベット順に並べて同じ括弧内に記載し、セミコロンで区切ります。

例:

早期のフィードバックが学生の推敲習慣を改善できるという研究結果が複数報告されています (Garcia, 2021; Johnson, 2022; Miller, 2023)。

各ソースが同じ記述を明確に裏付けている場合にのみ、複数の引用をまとめて使用してください。関連性の薄いソースを一つの文に詰め込みすぎないように注意しましょう。

APA形式の本文中引用と参考文献リスト項目の違い

APA形式の本文中引用と参考文献リスト項目は連動していますが、それぞれ役割が異なります。

APA要素

記載場所

本文中引用

論文の本文内

(Miller, 2023)

参考文献リスト項目

参考文献ページ

Miller, R. T. (2023). Writing with evidence in college. Beacon Academic Press.

本文中引用は簡潔な形式をとります。一方、参考文献リスト項目には出典に関する詳細な情報が記載されます。原則として、本文中で引用したすべての文献は参考文献リストに記載されている必要があり、逆に参考文献リストにあるすべての文献は、論文内で引用されている必要があります。

APA形式の本文内引用におけるよくある間違い

間違い

正しいアプローチ

出版年を記載漏れする

APA形式の引用には著者名と出版年を含める。

MLA形式(著者・ページ数)で引用する

(Smith 42)ではなく(Smith, 2023)と表記する。

直接引用でページ番号を省略する

正確な文言を引用する場合はページ番号を含める。

引用に名(ファーストネーム)を含める

姓(ラストネーム)のみを使用する。

本文中にURLを記載する

URLではなく著者名と年を記載する。

参考文献リストと内容が一致しない

すべての引用が参考文献リストの記載と一致していることを確認する。

「Anonymous(匿名)」を不適切に使用する

ソース自体に「Anonymous」と明記されている場合のみ使用する。

引用箇所と参照元の考えを離しすぎる

引用は該当する文言や言い換えのすぐ近くに配置する。

APA形式の本文中引用を確認する際のヒント

論文を提出する前に、資料を使用しているすべての段落を見直してください。それぞれの引用、言い換え、統計データ、または研究結果に対して、明示的な出典が記載されているかを確認しましょう。

次に、本文中の引用と参考文献リストを照らし合わせます。例えば、論文内で(Miller, 2023)と引用しているならば、参考文献リストにも「Miller」および「2023」で始まるソースが記載されている必要があります。

続いて直接引用を確認します。直接引用を行う際は、可能な限りページ番号、段落番号、タイムスタンプなどのロケーター(所在を示す情報)を必ず含めてください。

最後に、APA形式が一貫して用いられているか確認します。APA形式の著者・日付による引用と、MLA形式の著者・ページによる引用や、シカゴ・スタイルの脚注などを混在させないように注意してください。

APA形式の文中引用に関するFAQ

APA形式の文中引用とは何ですか?

APA形式の文中引用とは、論文の本文中に記載する短い引用のことです。通常、著者の姓と発行年を記載します。

APA形式の文中引用はどのような形式ですか?

基本的なAPA形式の文中引用は (Smith, 2023) のようになります。直接引用の場合は、(Smith, 2023, p. 42) のように記載します。

括弧内引用とナラティブ引用の違いは何ですか?

括弧内引用では、著者と年を括弧内にまとめます。一方、ナラティブ引用では、文中で著者に言及し、その直後の括弧内に年を記載します。

APA形式の文中引用にページ番号は必要ですか?

直接引用を行う場合はページ番号が必須です。言い換え(パラフレーズ)の場合は、指導教官からの指示がある場合や、特定の箇所を参照する場合を除き、ページ番号の記載は任意です。

APA形式で著者が不明な資料を引用するにはどうすればよいですか?

著者の代わりに、タイトルまたはその短縮形を使用します。例: (How to Prepare, 2024)

APA形式で著者が3人以上いる場合はどう引用しますか?

筆頭著者の姓の後に et al. を続けて記載します。例: (Nguyen et al., 2023)

結論

APA形式の本文中引用では、読者が参照元を参考文献リストと照らし合わせやすいよう、著者名と発行年を用いたシステムを採用しています。基本的な形式はシンプルで、著者の姓と発行年を記載し、直接引用する場合はページ番号を付け加えます。論文を提出する前に、すべての引用箇所が参照元資料の近くにあるか、直接引用にページ番号が含まれているか、そして本文中の各引用が参考文献リストの記載と一致しているかを必ず確認してください。